月
□spilt milk
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重い。
そう言ってしまった。それが言ってはいけない言葉だったと気づいて時にはすべてが遅かった。自分にとっては、ほんの些細な言葉だった。
それが本気かなんて問われれば本気じゃなかったと今ならばはっきりと言える。
少なくとも今よりは断然にその時のほうがよかった。
いや…良かったなんて言葉じゃ表わせない。幸せだったんだ。
その幸せはずっと続くと思っていたから出た言葉だった。
こんなこと考えられただろうか…
「ねぇ…あんた誰?」
誰よりも愛してやまなかった彼から、己の存在が消えうせ、
真剣を突きつけられる日が…
spilt milk
〜こぼれたミルク〜