summon night〜月の見る世界〜
□謎の敗走
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闇夜を走る集団、なにかから逃げるように必死に、弱々しく走っていた。マグナ達だ。
今は王都、ギブソンミモザ邸を目指し走りつづけようやくたどり着いたところだ。
マグナ達が無事逃げきった遥か後方、街道上ではリーネが一人闇夜に紛れ逃げ続けていた。黒の兵士が追い続けているからだ。
「おかしいですね…先程撤退命令が出たはずですが…あの統率力は間違いないはずですが…命令違反?」
思わずひとりごちる、黒の兵士は答えずにただ侘しさが残るだけでした。
とりあえずどうにか振り切らないと合流も出来ませんね…
「さっき試した痺れ薬も効かない様ですし…実力行使しかないですね」
と、言ったものの私に三四十人の相手は無理ですし召喚獣もプチデビルとプラーマ位しか居ませんし…どうにかならないものですかね。
「オオオリャアアア!!!」
正直諦めていたとき、包囲の一角が崩れはじめ、そこからリューグが顔を出しました。
「逃げるんじゃなかったのかよ!」
「すみません、捕まりました。それに召喚獣でも憑依させているのか人間の限界を超えた動きをするんですよね」
「ハァ!どけ!…とりあえず片っ端から倒して行けば良いんだな?」
斧を振りながら至極簡単な答えを弾き出し暴れはじめるリューグ、先程は打ち負けていましたが今はこれ以上にないくらい頼もしいです。
その後互いに言葉を交わさず背中合わせの共闘で敵を全て倒した。
「ハァ…ハァ…さあ、逃げんぞ」
「わかりました、ゼラムはこっちです」
リューグと二人ボロボロのままゼラムに入りました。