創作
□君さえいれば
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「えい」
いきなり、瑠嘉が持っていったカイロが
俺の冷えきった顔を軽くパンチする。
「?!」
「これが好きな理由」
「・・・カイロで人の顔をパンチするのがか・・・??とんだドSだな」
「ちっがーう!!」
本当は分かってた。分かっていても、つい瑠嘉をいじめてしまう。
でも俺も・・・この時ばかりは冬がどんな季節よりも好き。
「・・・手、温めてやってもいいぞ」
「けいちゃんの手冷たいぃ」
「瑠嘉よりましですぅー」
「俺、カイロあるもんねっ」
「はいはい、そうですか」
寒さを理由に、瑠嘉と手を繋げる冬が俺は好き。
どんなに寒くても君さえいればあったかい
──END──