創作
□無自覚なりの自覚
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俺と瑠嘉が付き合い始めてから、瑠嘉は余計無自覚になった。
わざとかも知れないけど、女子といつも以上に絡んだり、
いつもは話さない男子とも話すようになった。
そして、極めつけには絋斗にちょっかい出すようになった。
「(一体何なんだよっ!!!)」
登下校は、一緒に居れるものの、教室へ着くと、
瑠嘉は誰かしらに寄って行き、たちまち俺は一人になる。
登下校中も、瑠嘉はあまり話さなかった。
俺が何を聞いても「うん」とか「まあ」しか言わない。
こんなことになるなら、瑠嘉に告白なんかしなきゃよかった
とまで思うようになった。
「(俺、何かしたかなあ・・・)」
自分の行動を思い返してみても
特に悪い所なんか思い当たらない。
「(もしかして、キスしたの怒ってる・・・?!うわあああ!!どうしよう!わっかんねぇ!!)」
一人で頭をわしゃわしゃした。