創作
□雨の日
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俺がそう言ってからまだ5分もたたない頃、瑠嘉は、
「ちょっと、けいちゃん!もっと右に寄れないの?!」
とか、
「あっ、カバン濡れたー。最悪ー」
とか、超文句言ってる。
「だから言ったじゃん。折り畳みしかないって」
「むぅー。確かにそうだけどー…」
俺と瑠嘉の間には微妙な距離感がある。
くっつきそうでくっつかない感じ。もどかしかった。
「(ここで俺が少し積極的になれたら…)」
そんなことを考えたところで、一体何をすればよいのか。
手をつなぐ?
少しでも距離を縮める?
それとも…キス?
そこまで考えて俺は頭を横に振る。