薄桜鬼Novel
□行かないで
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「千鶴っ・・・!!」
大きな声でそう言って、俺は目が覚めた。
嫌な夢を見た。・・・千鶴がいなくなる夢。
俺は千鶴に会いたくなった。千鶴が俺の傍に
いることを一刻でも早く確かめたかった。
「(多分、いつもの中庭で掃除してるはず・・・)」
千鶴がここへ来てから、炊事、掃除、洗濯を
何から何まで全てやっている。
ここに置いているわけだから、それぐらい
しないといけないのかも知れないけど、
だけど、千鶴はそれ以上のことをしている気がする。
いつだって千鶴は、一生懸命で、弱音を吐かない。
俺は、そんな千鶴にいつしか惹かれていた。