一日一本

一日一本(目標)
超短編
でもほんとは一週間で一本のほうが多いかもしんない!←
創作、夢、両方生存する予定。


コメおきがるに!
◆no title 

「ねぇ、どう思う?」
「……何が。」

どこか遠くを見つめるような目で、両手に持った透明なグラスを眺める少女。
すらりと美しいラインの体と、整った黒髪。大人びたその風貌は、少女というより成熟したばかりの女性を思わせる。
しかし、彼女は少女なのだ。無垢で、幼い。
とにかく、少女の主語の無い問いに、青年はきょとんとした表情で少女を見た。
少女は一瞬だけ顔を上げて青年を見て、またグラスの氷にその視線を落とした。

「私、良い距離がわからない。」
「何の?」
「人。」
「人?」
「そう、人との距離。」

青年は「人との距離……。」と、呟くように繰り返した。
少女は「そう。」とため息混じりに答えた。

2012/07/09(Mon) 12:22

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