一日一本

一日一本(目標)
超短編
でもほんとは一週間で一本のほうが多いかもしんない!←
創作、夢、両方生存する予定。


コメおきがるに!
◆no title 

「ねぇ、どう思う?」
「……何が。」

どこか遠くを見つめるような目で、両手に持った透明なグラスを眺める少女。
すらりと美しいラインの体と、整った黒髪。大人びたその風貌は、少女というより成熟したばかりの女性を思わせる。
しかし、彼女は少女なのだ。無垢で、幼い。
とにかく、少女の主語の無い問いに、青年はきょとんとした表情で少女を見た。
少女は一瞬だけ顔を上げて青年を見て、またグラスの氷にその視線を落とした。

「私、良い距離がわからない。」
「何の?」
「人。」
「人?」
「そう、人との距離。」

青年は「人との距離……。」と、呟くように繰り返した。
少女は「そう。」とため息混じりに答えた。

2012/07/09(Mon) 12:22  コメント(0)

◆鼓動 


こんなに人を想ったのは初めてだった。
過去にも、未来にも、きっとこんなに深く、熱く、人を想うことなどないだろう。
君を想う度に心臓がきゅ、と切なく縮む。
君を少し見かけただけでどきどきと心臓が高鳴る。
友人に話したら、それは恋だと教わった。
しかし、私にはどうにもこれが世間一般に言う『恋』であるとは思えない。思いたくない、のかもしれないが。
とにかく、友人の言葉より、私はこの感情は『愛』の方がふさわしいと思って、君をただ想い続けた。
毎日、毎日。私の心を埋め尽くす君への愛。
毎日、毎日。心臓の激しい鼓動を感じていた。
日に日に私の鼓動は大きくなった。
日に日に君への想いも増していった。
だけど、ある日。
君が、とても君らしくない事をしていた。
少し見ない間に、とても君は褪せていた。
あの、鮮やかで、繊細で、柔らかな君はもういないというのだろうか。
私は、激しい鼓動を続けた心臓に、何とも言えない痛みを感じた。
いや、痛みではない。これは、愛が消える感覚だ。
私の心を、思考を、全てをなみなみと満たしていた君への愛が、瞬時にしてどこかへ流れていってしまった。
それがすべてなくなった時、私の中は空になった。
何も残らなかった。
強いて挙げるならば、この虚無感だろうか。
君を想い、輝いていた私の瞳は色を失った。
君への愛で動いていた心臓は、途端に、鼓動の仕方を忘れてしまったようで。
私の心臓は静かに鼓動をやめた。
『愛』だと錯覚したそれは『恋』のような『憧れ』であったのだと、気付いた時には遅かった。

私は、死んだ。






あれ?
最初書こうとしてたのからなんかそれた^q^

2011/10/19(Wed) 21:22  コメント(2)

◆課題(デイダラ夢) 

快晴の空。
緑は鮮やか。
紗里菜は頬杖をついて、そんな窓からの景色を眺めた。

「…何やってんの。うん。」
「…こう…故人が如く趣深さに耽ってる。」
「つまりは現実逃避だな。うん。」

うんざりとした表情で溜め息を吐くデイダラに、紗里菜は唇を尖らせた。
そして渋々とシャーペンを執った。
が、その先端を課題の空白に当てる気はないらしい。

「課題やれよ。」
「あんたに言われたかないわよ。 てか、そういうアンタはどうなのよ。」

白のシャーペンをくるくると回しながら、紗里菜は言い返した。
デイダラは「プリント一枚終わった!」と、訂正で真っ赤のプリントを掲げた。紗里菜も、それなら終わってる。と、赤ペンで答えを写しただけのプリントを見せた。

「…意味ないじゃん。」
「提出できればいいのよ。こんなの。」

誇らしげに言う紗里菜に、デイダラは「そういう問題じゃねーだろ。うん。」と返した。



勿論、後日二人は欠点課題を受けとることとなった。


end


私が欠点課題頂きそうで怖いですgkbr

2011/07/05(Tue) 14:56  コメント(0)

◆構ってよ的な(カカシ夢) 

「随分と幼稚な嘘を吐く方がいらっしゃるものですね。」

目の前の女は、そう言って笑った。
またダメか。と、カカシは肩を竦めた。

「やっぱバレちゃう?」
「医術に携わる者なら誰でも気付きます。」

カカシは苦笑して、ギプスを着けた無傷の右手で頬を掻いた。

「この忙しい時期に、無駄な人員を割かせないでください。」

そう残し、白衣の女性は浅く溜め息を吐いて、踵を返した。
その後ろ姿に、カカシはマスクの下で笑み、小さく呟いた。

「オレが怪我したって聞いて飛んできたクセに。」

聞こえたのか、彼女は強く戸を閉めた。
その荒々しい音に、カカシはまた苦笑した。




end


謎に先生^q^
最初の台詞を使いたかっただけ←

テストめんどくせえぇぇぇヽ(´Д` )ノ≡3




 

2011/07/04(Mon) 19:01  コメント(0)

◆さあ、お逃げなさい。(ひだん※シリアス臭い) 

「――どうして?」

男の上に馬乗りになって、女は悲壮に顔を歪めた。
その手に握られた棒の先は、鋭く、深く、男の心臓を貫き、貫通すらしていた。
男は、マゼンタの瞳を細めて、極力優しく笑った。
憐れみを含んだようにも見えるその表情に、女は唇を噛んだ。

「なんで死なないのよ。」
「……オレだからだろうなァ。」
「……そんな頭の悪い答えしか言えないのね。」

女は静かに言って、諦めたような、呆れたような笑みを浮かべた。
もっとも、その瞳には悼みと悲しみの色しかなかったわけだが。

男の上から立ち退き、最後に一瞥をくれて、女はその場から、煙のように姿を消した。
深く息を吐き、男はただ広がる虚しいほどの青空を、瞳に受け入れた。
撫で付けた銀の髪が風に揺れることはなかった。




end



ひだんリハビリ

2011/05/31(Tue) 08:38  コメント(0)

◆あったかい(サソリ夢) 



「サソリ、サソリ。」
「あ?どうした?」

掃除が終わって帰ろうとした時、空がサソリの袖を引いた。
サソリは振り返って、肩にかけようとしていたカバンを再び机の上に降ろした。

「抱きついていい?」
「? それ一々断る必要あんのか?」
「一応。」
「……ん。」

抱きつく、ということで、サソリは軽く手を広げてみた。
そこに慣れないような動きで、空が抱きついた。
サソリの胸に顔を埋め、空は嬉しそうに笑った。
つられてサソリも笑い、空の背にそっと自分の手を回した。

「あったかい。」
「冷たかったらおかしいだろーが。」
「そうだけど。」

というか、暑くはないのか。
そう思って尋ねると、空は抱きしめる力を少しだけ強くして、言った。

「暑いっていうより、あったかいの。」
「……よくわかんねー。」

それでも、まあ。
心地は、良い。







end



サソラ不足してたので補給!補給!!

2011/05/14(Sat) 20:37  コメント(4)

◆子供(サソリ夢) 



「……空。」
「んー?」

本に視線を落としたまま、空は訊き返した。
サソリはじっと空を見たまま言う。

「寝る。」
「また?」
「悪いか?」
「いや……いいけど。」

くす、と笑って、空は膝に置いていた本を持ち上げた。
その膝に、サソリは当たり前のように頭を乗せ、寝そべった。

「子供だね、サソリは。」
「あ?」
「なんでもないよー。」

そんなあなたも、愛おしくて好き。





end



甘えるサソリ…無表情に甘えるサソリ…の、つもり……。


 

2011/04/25(Mon) 23:20  コメント(2)

◆四度目の涙の後は(サソリ夢) 



彼女は泣いた。

愛した人が、感情を捨てたのだ。
感情を捨てた彼に、もう、彼女は必要でなくなってしまった。

でも、これで彼は永遠に生きられる。
だからいいのだと、彼女は涙をぬぐった。



彼女は泣いた。

死なない体になったはずの彼が、死んでしまった。
彼は最期まで、彼女のことはどうでもよかったらしい。

でも、最期は少し人間らしかったと聞いた。
ならばいいのだと、彼女は手をついて立ちあがった。



彼女は泣いた。

誰かのおかげで、少しの間だけ、彼が生き返ったらしいと聞いた。
それも、感情のある体で。

もしかしたら、もう一度。
彼女は涙を流しながら街を駆けた。



彼女は泣いた。

もう、彼に触れることはできない。
甦ることもない。
会えない、話せない、見ることすら許されない。

彼女は涙をぬぐうこともなく、ただ呆然と、日々を過ごした。




戦争が終わった頃

彼女は独り、亡くなっていた。
幼い頃の写真を握りしめて。




最も幸せだった頃を抱いて。









end



55巻が神すぎて。


 

2011/04/24(Sun) 23:19  コメント(0)

◆愛してくださいな。(ペイン夢) 



そう言って、彼女は手を差し出した。
好きになるだけではなく、愛せと。
彼女は、それを望んだ。

「――君の期待には、添えないと思うよ。」
「そうかしら?」

私、あなたの目、好きよ。
そう言って、彼女は笑った。
いや、顔は笑っていたが、目は今にも泣きそうだった。
過ぎる程に美しい顔立ちの彼女は、きっと、望んでなどいない。
自分に好かれるなど。
それを分からないほど、彼もバカではない。

彼女は、自分が殺しに来た名家の主の為に、逃げる時間を稼げとでも言われているのだろう。
もとは卑しい身分か。
妻か、娘か。はたまた、愛人か。
それこそ彼の知る由もないが、彼は、彼女の策にはまったふりをしてやった。







end




わけがわからないよ



 

2011/04/23(Sat) 20:37  コメント(0)

◆こわぁいおはなし(MZD夢) 



「――で、その肖像画の女の子がニタァ……と……。」
「いやもう無理無理やめろってマジで。」

ニヤニヤと笑いながらカゲはついこの前見た会談を話す。
大きく目を剥き話すものだから、MZDは思わず自分を抱きしめて目をそらした。
ふと、その目線の先に、じっと俯く清がいて、MZDはここぞとばかりに清に抱きついた。

「清ー!俺怖ーい。」

慰めて、と急に抱きつかれ、清は小さく肩を揺らした。
MZDはその反応に、首を傾げたが、その疑問はすぐに解消された。

「また、そんなことを……。」

彼女の声が微かに震えているのを、MZDは気付いた。
よくよく見てみれば、膝の上で握りしめられた拳もわずかに震えているではないか。
ああ、そうか。と、MZDは清の耳元に唇を寄せた。
そして、「冗談。」と囁いた。

「清には俺がついてる。何も怖くねーって。」

清はふ、と笑って、MZDを見た。
その目は、最大の安心の色をしていた。

怪談の恐怖なんて、己の愛する人が震えていることに比べれば。ねぇ。







end




M清不足です。深刻!^q^
誰か私にM清を…!!


 

2011/04/22(Fri) 23:30  コメント(0)

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