詩部屋。
□炉心融解
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街明かり 華やか
エーテル麻酔 の 冷たさ
眠ってた 午前二時
全てが 急速に変わる
オイル切れのライター
焼けつくような胃の中
全てがそう嘘なら
本当に よかったのにね
君に絞殺される夢を見た
光の溢れる昼下がり
私が事切れていくのを
泣き出しそうな眼で見ていた
「核融合炉にさ
飛び込んでみたい と思う」
それなら 私 一緒に行くよ
核融合炉にさ
飛び込んでみても 私だけは
何も許されないはずなんだ
ベランダの向こう側
階段を昇ってくる音
陰り出した空が
窓ガラスに 部屋に落ちる
拡散する夕暮れ
泣き腫らしたような陽の赤
融けるように少しずつ
少しずつ死んでゆく世界
君絞殺される夢を見た
春風に揺れるカーテン
乾いて切れた唇から
零した言葉は消えていく
「核融合炉にさ
飛び込んでみたい と思う」
真っ白に 記憶 融かされて消えて
核融合炉にさ
飛び込んでみたら また昔みたいに
眠れるような そんな気がする
時計の秒針や
テレビの司会者や
そこにいるけど 見えない誰かの
笑い声 飽和して反響する
アレグロ・アジテート
耳鳴りが消えない 止まない
アレグロ・アジテート
耳鳴りが消えない 止まない
誰もみんな去ってく夢を見た
真夜中の 部屋の広さと静寂が
胸につっかえて
上手に 息ができなくなる
(Shout!!)
核融合炉にさ
飛び込んでみても アナタは
きっと眠るように 消えていけるんだ
君のいない朝は
今よりずっと 哀しくて
全ての歯車が噛み合った
きっと そんな世界だ
→アトガキ