其他
□ホンネ。
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そしてあろうことか開いたままの口に熱く濡れたものが入ってきて非常に覚えのある感覚がした。
「ふ、…っ」
耳をふさぎたくなる様な水音が響く。
いくら口内で逃げ回ってもすぐに絡めとられる。
離れろ、と力の抜け始めた手でヒュウガの胸を押すが腰に回されている腕のせいで離れてはくれない。
おまけに、胸を押したせいでヒュウガの唇が少しずれ、それと同時に吸われたものだから隙間から吐息交じりの考えたくもない声が出てしまった。
その声にヒュウガが口角をあげるのが分かった。
耳障りな水音が響く中、いつの間にかきつく閉じてしまっていた目を開くと、少し潤んだ赤い瞳が優しげに細められじっとこちらを見つめていて、不覚にも顔が更に熱くなった。
と、同時に己の行動を後悔した。(サングラスは二度と壊さない)
「、は…っ…」
暫くしてやっと唇を開放された。
力が入らずヒュウガの肩に額を乗せてもたれながら顎まで垂れる唾液を震える手で拭い、呼吸を整える。
「っきさま…校、内で…」
思わず声が上擦ってしまい、アヤたんかわいー、と屈辱でしかない言葉をわざわざ口にされる。(広辞苑か出席簿は何処だ)
「ね、アヤたん」
「なん、だ…」
「此処に来た本当の理由は?」
「………。」
問いながらかっちりと着ている制服を脱がせてくる手と首筋に触れる舌を拒めなかった。否、ヒュウガの問いに対して硬直してしまった。
「…アヤたん?」
嗚呼。
本来の目的を忘れてしまった。
「後で覚悟していろ」
「ええっ?」
だが、思い出すまでは…仕方が無い。
断じてヒュウガの望みを叶えたい訳ではない、しつこいキスのせいで少なからず昂ぶった熱を処理させる為だ。
断じて、ヒュウガの為ではない。
(柄にもなく、人の為に。)
お前等、ただの生徒会役員で道具に過ぎん。
(そう思う程お前を、愛してしまっている。)
「…さっさと終わらせろ」
END
(アヤナミ様、ヒュウガ先輩どうでした?仕事やってくれました?)
(……。)
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