お話

□バニー喫茶
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※タイトル通り色々と酷いです。大丈夫な方だけどうぞ。



「うっわぁ…マジで?何かの罰ゲーム?酷いねそれ。いっそ笑える。」

「殺すぞ猿。お前いつからそんな奴になった。」

ああ、確かにこれは何かの罰ゲームなのかもしれない。

「あああ…破廉恥でござる…足が…足がぁああ」

「ははは!やべえって!ははははは!幸村、お前もかよ!こいつと一緒のクラスになったのが運の尽きだなオイ!」

「そうかてめえも殺されてえか!」

だが生憎怒鳴っても耳障りな声が大きくなるだけ。
全てはこの服のせいだ。

どうしてこんな事になってしまったのか、腹イテェと言いながら相変わらず笑い転げる勢いで爆笑する元親を見ながら思い返す。

始まりは文化祭の出し物を決めるアンケートだった。
何を出し物にしたいですか?と手書きで書かれた文字に悩むも匿名でアンケートに答えれると言う事もあって健全な男子高校生、少し邪が入ってしまった。

(バニー喫茶…っと。)

かすがが以前この頃の男の考える事は同じと言っていたがまさか本当だとは思っていなかった。
黒板に貼りだされた皆の案。その一枚に票がどんどんと集まっていく。
誰の案だ?と紙を覗き込むとそこには非常に見覚えのある文字。

(…マジでか。)

女子からは勿論苦情があがったがごく少数だったが女子からも票を入れた者が居たらしくすぐに静かになった。
そうして見事俺のクラスは、バニー喫茶を出し物にすることが決まった。(決まった時の幸村の悲痛な叫びを俺は忘れねえ)

そしてその日から一ヶ月後、準備が着々と進んでいった。
女子が喫茶店となる教室の飾りつけ、男子が衣装を作る。(ほとんどの奴はネットで買っていたが)
そう、その時その分担がおかしいと気づくべきだった。
だがそのおかしさは衣装自慢に燃える俺達(幸村を除く)には分からなかった。
そして全員の衣装が完成した文化祭一週間前。

「…それじゃあ、当日はそれを着てね…。
ごめんなさい…あなた達がそんな格好をするのも皆市のせい…。
…あ。もし、衣装を捨てたり失くしたりしたらスク水だから…。」

「はああああ!?」

男達の叫びが教室中に響き渡る事になる。(この時の幸村の叫びも出来ない程の誰よりも悲痛な表情を俺は忘れねえ)

そう、本当に早く気づくべきだった。
普通、自分が恥を晒し着るものをわざわざ他人に、しかも異性に頼むバカはいない。
それから各自、出来る限り露出の少ない服にしたり、わざと服を捨てたりともがき苦しんだが"スク水"という悪夢の様な響きに大人しく着るハメになった。
そして当日の朝。
休む者が何人か居るらしいが出席日数が少し危ないことになってる俺にはそれすらもかなわなかった。畜生。
電車に揺られながら幸村とメールを交わした。勿論休みたいだとか絶対逃げるだとか情けない内容だったが。

「畜生、こんな事になるなら出席日数ちゃんと取っときゃよかった…」

「はは、ドンマイ政宗!似合ってんぜ!」

「しね!…って、あれ。
幸村、お前確か一日も休んでねえよなぁ…。」

「……あ。」

「ああ…うん、そうか、なんとなく分かった。」

「っつーかすげえ賑わいっぷりだよなあ」

「皆物珍しさで来てるんじゃない?それに3年のアイドルさんもバニー服だしさ。
ほら大人気アイドルさん、俺様とチカちゃんお客なんだけど。」

「お前マジでくたばれよ。」





「っていう夢見たんだけどどう思う?猿飛。」

「とりあえず色々と聞きたいけどまずは俺様を何だと思ってるの?」

END
(Ah…猿?)
(はは、今年の文化祭楽しみだねえ)
(え、ちょ、ごめん!冗談だって!)
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