其他

□ホンネ。
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※ヒュウアヤでまさかの学パロですすみません。
※生徒副会長×生徒会長ですごめんなさい。


近頃、ヒュウガは調子に乗っている。(いや、それは常なのだが、)
非常に不本意ではあるがヒュウガと私は世間的に恋人と呼ばれる関係で結ばれている。
それを期に普段から気に食わない態度が益々気に食わないものになった。
一に、ヒュウガの溜めている生徒会の仕事は常なら少量なのだが知らない内に一週間かかってもやりきれそうに無いほどの量まで溜まり続けていた(まず溜めている時点で叱るべきだが)(コナツが泣きそうになりながらヒュウガの仕事をやっていた光景は昨日の事のように覚えている)
一度仕事をやれと言ったが、私が頭にちらつき集中出来ないと返してきた。
とりあえず手元にあった出席簿で殴っておいたが、何故だかもう注意する気になれなかった。
そして第二に、自分の仕事を溜めるだけならまだしも私の仕事の邪魔をしてくる事。
これには流石に本気で広辞苑で頭を殴ってやろうかと思ったがまたしてもヒュウガの、私の体を労わって。少しは休んで欲しいから。という言い分に丸め込まれてしまった(自惚れているわけではないが嘘ではないらしい)
確かに夜遅くまで仕事を続けていることが偶にある、だがそれはやらなければいけない事でヒュウガに邪魔されるのは普通にやるよりも更に疲れる。

あとは数えだすとキリがない。
ひとつひとつ思い出していく内、常にヒュウガに言い包められている事を改めて自覚し、久しぶりに怒りと自らに対する呆れを覚えた。
どうにも抑えられないそれらに、仕返しを実行してやろうと思う。
背格好や仕草、ほとんどは歳相応のそれだが行動だけ見ると幼稚に近い。
好きな事しかせず、やるべき事をやらせると嫌がり逃げ出す。これを幼稚と言わず何と言おうか。
そこから考えると、恐らくあいつに一番効くであろう仕返しは同じく”行動”だ。
普段、私がしないような。ヒュウガの様にするべき事を放棄すれば自分のやってきたことがよく分かるだろう。
周りから見ればそれこそ幼稚で滑稽だろうが、私にとっては大問題であり、故に真剣だ。多少の恥はこのさい見ない事にしてやる(何故あいつに此処までしてやらねばいけないのか少し納得いかないが)

その旨をまずは私よりもヒュウガの被害にあっているだろう秘書係のコナツに伝えた。
目を大きく見開き驚いたが、力強く返事をした。
そして、書類の提出期間を一日延ばして貰い行動を実行に移し、始めることにした。

翌日、早速何時もの調子でヒュウガが仕事をサボってくつろいでいるであろう応接室のドアノブに手をかけた。

「あれ、どうしたの?アヤたん」

片手に紙、そしてもう片手にはペン。
一瞬まさかと思った淡い期待は僅か1秒にも満たない速さで裏切られた。
案の定、デスクに置かれた書類に目もくれず黙々と絵を描いている。(地味に上手いと感じる絵を描くのにも腹が立つ)
沸々と怒りがこみ上げてくるが、此処は堪えるべきだ。さもないと全て台無しになる。

「近くを通ったので寄ったまでだ。」

「え、わざわざ俺の様子を見に?」

「黙れ」

「へぇ、珍しいこともあるもんだねぇ」

「…黙れと言ったのが聞こえなかったか?」

「わ、ちょ、ごめんってば」

見た目に反し案外座り心地の良いソファーに腰を下ろせば、辺りにほわほわと花が散ってそうな程間抜けな笑みを貼りつけながら向かいのソファーからわざわざ私の隣に座りなおしてくる。
向こうに座れと言うと返ってきた言葉は、

「えー。いちゃいちゃしたい」

とりあえず校則違反なサングラスを割ってやった。
あああ!サングラス!と耳障りな大声を出し普段はサングラスのせいで見えない赤い瞳を見開く。
それをBGMにヒュウガとの距離を体一つ分空けて座りなおす。
サングラスに夢中になっていたはずだったが空いたスペースはすぐに埋められる。
おまけにさっきよりも距離が近く梅雨の季節なのも手伝って余計に暑苦しい。
もう空けるスペースも無い為立ち上がろうとするもいつの間にかがっちりと腰に腕が回されていて。
殺意をこめて睨みつける。

「はな、っ…!」

離せ。

そう言おうとしたが、最後の一文字はあっけなくヒュウガに吸い込まれてしまった。


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