詩
□死神サン
1ページ/1ページ
「どちらから来られたんですか?」
きっとあたしには
想像もつかぬ程
遠い 遠い 場所から
わざわざあたしの為に
来たらしいって
「素敵なところへ連れてあげる」ってさ
ここに来てまさかの誘拐ですか
「いや まさかね」
「いや そのまさかです」
よく話を聞いていたら、
よくよく考えてみたら、
このながい時間の先に
何かまだあるんじゃないかって
少し期待していたけれど
その何かに悩まされてきたのだろう
あたしを満たしてくれるなら
あたしを殺すのはあの人だけだけど
また期待をしてしまうのです
「いいじゃない、どうせ最後だし」
素敵なところで
死んでみたい
.