過去の話
□夜間ハイク
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ある日、クラスのお別れ会で夜間ハイクをしたときの話。
僕とSさんは同じグループの女子二人を脅かそうと、
「オブラートに色紅を入れて、それを口の中に入れ、唾液を赤くして血のように見せる。」
という名付けて!
「呪いか?吐血大作戦!」
を考案しました。
内容はこう。
まず、Sさんと女子二人が話してる隙に僕はあれを口の中に入れ、話しを聞きながら唾液を溜め、いいと思ったらSさんの肩を叩き合図します。
そしたらSさんが突然叫び、僕を殴ります。
僕は血を吐きいた後で女子を睨みつけ、追いかける。
といったものでした。
そしてその時がやってきます。
スタート開始からまだ10メートルもしないところで早くもSさんが話し始める。
しかもお化けやら呪いやらの話…。
やるな…あんた…。
僕も頃合いであれを口の中に入れる。
しかし…。
「うぅ…!!」
まずっ!!
くそ…吐き出したい…。
いや、Sさんも頑張ってるんだ…。
ここで負けるか…。
まずいの耐えながらやっといいぐらいまで口の中で溶けた。
よし、合図だ!
Sさんの肩を叩く。
…………
無反応…。
もう一度。
……無反応。
あれ?
おいまじかよ、まずいんだから早くしてくれよ…。
今度は強めに肩を叩く。
…今度は反応あり。
だがSさんは僕に小声で話しかけてくる。
「いいの?ねぇ?いいの?」
合図の意味ないだろ!
てか喋れねぇんだよ!
しかもまずいんだよ!
俺の口内環境考えろ!!
「いいよね?」
しょうがないからもう一度肩を叩く。
わかったらしいが例のやつがこない…
Sさんは前を向いて前をじっと見ている。
心の準備でもしてるのか?
すると…。
「あ"ぁあぁぁぁ!!!」
俺の顔面に右ストレート。
い、いきなり!?
てかくらいから当てなくてもバレないよって言っといたのにモロで当ててきた。
いってーよ!
反動で地面に膝を着く俺。
「ぶはぁ!…。」
うまいタイミングで血を吐いてみせる。さぁどうだ!
「きゃぁあ!」
し〜んと沈黙が続く…。
さぁ次のステップだ。
叫びながら追いかける!
っと意気込んで後ろを見たのですが…
あれ…?
いねぇ…。
沈黙の間に後ろにいた女子達は俺達の横を通り過ぎ、逃げようとしています。
心配は完全に無しかよ!
まぁされても困るが…。
なんかもういいや。
その様子がウケたし、なんかもう可哀想だったので、笑って寝たばらし、っといきたかったのですが…。
「あははははは!」
「え?何?何?!」
「やばいやばいやばいよ!」
完全に逆効果…。
女子達は全力で逃げていく。
まずい!
誤解されたまま逃げられてたまるかぁ!
「待てよ!おい!」
「きゃぁあ!」
さらに逆効果。
俺は必死に追いかける。
Sさんも追いかける。
無言で。
お前が怖いんじゃね?
しばらくしてボランティアで道案内をしているお母様方が見える。
女子達はその人に飛びつき、後ろに隠れる。
お母様方が俺を見る。
「きゃぁあぁぁぁ!!」
やっぱし?
お母様方も逃げようとしたがそれを捕まえ、事情を説明し、なんとか誤解を説くことに成功したが、俺達は夜間ハイクの間ずっと女子達に怒られ続けた。
ちなみにSさんはその後、夜間ハイクゴールであるみんなが集まるロビーであれを使い、見事に血を吐いた。
もちろん、女子全員と先生にこっぴどく怒られた。
俺はそれを遠目で見ていた…。