『血籠の結ニ』
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想いを知りながら、心を堕としときながら。
最低な方法で傷を付け、捨てた。俺は結環の父親の賭け事に乗った。
闇堕帝という一族の組織の中で快楽の王である『結禪』が掟。
結環が反感も出来る訳なく、掟そのものに従った。幼なじみで付き合っていた。
今でも愛している事には変わりない…
ただ、結禪が何を確かめたいのか。俺は知る必要があった。
実の息子を出汁にまで使い、何を得ようとしている。
所詮は恋愛遊戯というゲームにしか過ぎない賭け事に見出だす物があるというのか。
もし、在ると言うなら俺は…とことん付き合ってやろう。
傷付けて、傷付けて、啼かせて…
酷く、荒く、情熱的に。
結環を闇という闇に堕としてやろう。
クスリと微笑を湛え、俺は昨夜の結禪の表情を思い出した。