『血の旋律シリーズ』紅ク甘イ檻ノ中〜

□傀儡の綾取り
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―天神界・千零國・神楽帝邸・大接間


椿城から離れた所に位置する邸宅がある。羅淡の祖父母が棲む。


「お前はっ…」


「すみません…父上」


漆黒の髪がしたたかに垂れ落ちる。老人は男性の指を杖で潰す。


「いっ…」


「お前でも痛いと感じる事はあるのかっ」


見下した笑いを浮かべ、杖に力をいれる。


「緋羅じゃなく、お前が死ねば良かったのだ。この役立たずっ!!」


バチーンと叩かれた。頬は赤く腫れ上がる。キィっと老人を睨みながら部屋から出て行った。
老人の名前は『神楽 琉羅(かぐら るら)』。千零國の神子 羅淡の祖父だ。


「本当に…消えてしまえばいいのにっ」
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