『血の旋律シリーズ』龍謌ノ音花〜

□義理の母親は鬼です。
1ページ/15ページ

【篤霧side】


私は篝が顔を引きつらせたのを見逃さなかった。
璃羅の名前を出せば、効果覿面とは言ったものだ。篝を大人しくさせるのは容易い。

問題は蘭…

聖の甥っ子とはいえ、私は特別視はしない主義。

羅淡は別ですが…


「突然、お邪魔してしまい申し訳ございません。篤霧様…」


羅淡の事を考えていると、何故か璃羅がにっこりとした笑顔で立っていた。
来るなら迎えを寄越したのに、相も変わらず、神出鬼没する。


「此方に…義息子が居ると報告を受けまして…迎えに参りました」


「あ、えっ…璃羅皇……」


「嫌だなぁ…其処は…義母上でしょう?篝様…」


璃羅の声を聞いた篝は私の後ろに隠れる。


「…へぇぇ、貴方様が風羅兄様の見合い相手ね」


歩み寄って来るついでに蘭を凝視。
不適な笑みを浮かべ、顔を近付けた璃羅。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ