『血の旋律シリーズ』龍謌ノ音花〜

□出逢い…
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――天神界・千零國・椿城・命の湖


木々が柔らかな風に吹かれ、葉の隙間から光が射し込む。
千年樹とも呼べば良いのだろうか、大きな木の幹に背中を凭れさせている男は苦痛に耐えていた。

羽根は折れ、傷だらけ。


「はぁ…はぁ」


「大丈夫?」


「また…来たのか…童神…此処へは…来るな…と伝えたハズだ…」


息を荒く吐きながら、目の前に座る少年に言う。
少年は童神にしては美しい容姿をしていた。漆黒の髪、円らな黒燿石色の双眸。
顔はそんじゃそこらに居る女とは違い、上玉。

童神にしては、あまりにも美し過ぎる少年。


「私は…毎日来る!」


「ちっ、小賢しい童神よ…」


傷だらけの男は舌打ちをし、視線を逸らす。少年が彼を見つけ、一週間が経つ。
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