『血の旋律シリーズ』紅ク甘イ檻ノ中〜
□傀儡の綾取り
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「そんなに可笑しいですか?」
男性は相手の様子を伺いながら尋ねる。
無論、相手は爽やかな笑みを溢して…
「ソナタ、誘いの王“神楽 末羅”か…」
「なぜ…名前を?!」
『神楽 末羅』。神楽帝の次男坊にあたり、誘いの王として君臨している。
亡き兄は闇王『緋羅』で甥っ子は今や千零國をも轟かせる神子。
「さぁな…」
「はぶらかすな…」
「怒った顔も素敵だ。ますます…私のモノにしたいな…」
「何処の馬の骨かも解らぬ者のモノになる気などないっ!」
手を払い、末羅は相手から距離を置く。
「戲音…」
「…」
「私の名前は『壱紅 戲音』だ。覚えておくといい…」
戲音と名を語った男は、外見から見てかなりの美形だ。はたしたら千零國にいる神々よりはるかに上のレベル。
「美しく、気高いプライドを持つ“誘いの王”。噂通り…」
「ふんっ」
それに比べ末羅は美形って云うより綺麗と云う言葉が似合う。
大人の魅力が引きでている。
戲音が言う様に彼は、美しく、気高いプライドを持っている。