『血の旋律シリーズ』龍謌ノ音花〜
□盈華と神艸と三つ子!!!
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間違ってなければ、魅梛月達は稽古を付けてもらう気なのだろう。
大抵は躊躇いがちになってしまう母親に対して、攻撃でもして、けし掛けた。幼い頃、自身も同じ経験があるから解る。
母親に敵うのは千年早いのも重々承知している風羅だが、三人の動きが気になり視線を外せない。
まず、盈華や神艸は魅梛月がどう行動するか観察するだろう。一つ一つの動きを正確に見分け、行動に移すのは見え見えだ。
魅梛月は二人が動きやすい様に、母親へ攻撃を仕掛けていく子。
稽古付けてもらっているとはいえ、相手は四人の生き神子の一人。経験が浅い者が仕掛ける技ぐらい把握済みといった感じに違いない。
だから、じっと佇んだまま待っている。
「戦闘に浅い二人には良い経験かも知れないが、魅梛月は確実に母上を侮っている…」
「風羅、どいゆう意味だ?」
「東の神子であらせる阿驪美夜様と母上は、南の神子であらせる篤霧様が直に稽古を付けていたんだ。篤霧様は、神子としての素質も戦闘能力も長けているんだ…」
閠濂にも憶えがあった。
南の神子『燈炎帝 篤霧』は次期、闘神候補としても名を連ねていたくらいだ。