『血の旋律シリーズ』龍謌ノ音花〜
□義理の母親は鬼です。
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「母上は兎も角、父上は本当に風羅兄様とお見合いさせる気とは…」
ワインレッド色の双眸が細まる。
「神楽帝に必要な血筋なのかな、天龍帝は。それとも…朱麗に必要とか?どっちにしろ…風羅兄様の好みにそぐわないのは確実かな…」
三つ子だけあり、兄弟の好みを把握している訳か。
否、璃羅だから解り得ている事だと捉えるべきなんだろう。蘭を一目見て、風羅の好みじゃないと言い切る事態…
「貴方様は諦めが悪そうですね…」
「…っ」
「まぁ…我や父上を楽しませて下さい。風羅兄様を物にしたいのなら、剣使いをもう少し勉強した方が宜しいですよ?天龍帝 蘭様…」
「う、五月蝿いっ!!!」
黙っていた蘭が剣を抜いた。
しかし、璃羅は微笑う。