『血の旋律シリーズ』龍謌ノ音花〜

□双の華
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「なぁに…湿気た表情してる?」


突如、頭に重みが掛かる。
声の主はお構い無しに体重を乗せてきた。


「こ、紅霞さん!!!」


「姫神ともあろう者が気配に気付かないなんて…もし、これが敵だったら命取り入だぞ…」


心配してくれているのは解るが、そこに厳しい言葉を含ませるのも紅霞の特徴だった。
『間一髪は在る様で無いものだ』と言った張本人でもある。


『敵は常に隙を狙っている。同情や情け等、全てが無意味となるんだ。気配に気付かなかっただけで、相手に“自分の命をどうぞ”と言っているもんだぞ?良いか?気配には必ず気付け、それが味方だろうと敵だろうと…』

紅霞は肉親関係なく、部下にも言い聞かせているのだ。
そのお陰で今は姫神の補佐として役職に付いている。
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