□傘もささずに。
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頻りに降り続く雨。

厚い雨雲は空を覆いつくして太陽の光を遮る。

「…何やってんだオレ」

雨水が長い赤い髪に滴る。

彼は募る思いを相手に打ち明けたものの通じなかったのだ。

「はぁ…クソ」

溜め息がでる。

すると雨の中を走ってくる一人の男がいた。

「シ、シノン…」

「な、なんだよ」

「俺…あの時はあんたの言葉が理解できてなかった」

頭をかきながらてれる。

「えぁ?意味わかんねえ」

「その…アレだ、つまり…」

喋るたびに顔が赤くなっていく。

「はっきりしろよ…」

「うるさい!俺もシノンが好きだ!」

「…ハハッ」

「なぜ笑う!」

「気づくのおせぇ」

シノンは少しそっぽをむいた。

雨はもう止み、あかるい午後の日差しが彼らを照らした。

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