□どこか似てる。
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昔はオレが見下げていたアイツなのに。
今じゃオレが見上げている。
どんどん強くなって、そしてあの人に似てきた。
人と関わりを持ちたくないオレをお前はいつも気にかけている。
人望があつく、強くて、周りがついて行かずにはいられない。
そんなお前をオレは嫌いだ。
「シノン」
「なんだよ」
「食事くらいみんなで食えよ」
「ハッ!オレがお前なんかと?絶対やだね」
真っ直ぐな蒼い瞳は心を見透かされていそうでこわい。
「なんでオレの事が嫌いなんだ?」
「それは・・・・」
本当はそんなに嫌いじゃない。
ただお前はすごく恵まれているのにそれでも何かを求めているのが気にくわなかった。
「だがこれだけは言っておく。オレはシノンが好きだ」
一言のこしてこの場を去ったお前の背中をみてどこかあの人の面影をみたような気がした。
「ア…アイク!」
「どうした?」
オレを見つめる。
「グレイル団長に…似てきたな…」
「よく言われる」
少し笑いあった。
なんだかさっきまでのオレがとても幼稚に思えた。
「まぁメシくらいなら食ってやってもいいけどな」
「そうか…なら今日待っている」
そういって去っていった。