FF7

□愛し君へ
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この気持ちを何と呼べばいいのだろう。



どうしようもなく切なくて
どうしようもなくやるせない。
そして、どうしようもなく愛しい。
こんな気持ちを何と呼べば良いのか、俺は知らない。



いや、知らなかった――…



君が隣にいると安心した。
目が合うと、胸が締め付けられた。
透明感のある声は俺の心をひどく落ち着かせた。
目の届く所に居ないと心配で、「過保護」と言って子供のように拗ねる君の仕草にさえ胸が暖かくなったんだ。



もやもやと胸に巣食う、この気持ちの正体がわからなくても、君の笑顔がただ嬉しくて。
心にゆっくりと広がっていく暖かい気持ち。
心地よい、陽だまりのような。




――――ああ。
唐突に浮かんだ答え。
そう、この気持ちに説明をつけるとしたらただ1つ。
俺はエアリスに『恋』、していたんだ。




それなのに―――――




君はもう、笑わない、泣かない、怒らない。
物云わぬ君は俺の腕の中で翡翠色の瞳を隠したまま。



あの言いようのない気持ちの正体がやっと分かったというのに、君の命は今この瞬間、この腕から零れ落ちていく。
掬い上げることはもう叶わない。




好きだよ、好きだよ――
溢れだす想いをただ祈るように、心の中でいつまでも囁いた。




どうか、誰よりも愛しい君に届きますように。


20101026 mai

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