FF7
□pray
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「だーめ!ティファは座ってて!!」
朝食の後片付けをしようとしたら、マリンが飛んできた。
「今日はティファは何にもしなくて良いんだから、座ってて!」
マリンは私からお皿を奪うとそう言って微笑んだ。
渋々キッチンから出るが、何となく落ち着かない。
あ。
マリンの頭で揺れる、ピンク色のリボンを見て私は立ち上がった。
○pray○
古い大きな扉を開ける。
その瞬間に舞い込んでくる花の香りに自然と頬がゆるむ。
奥へ進むと、天井にある大きな穴から日の光に照らされてキラキラと輝く泉が見えた。
彼女を思わせる、透き通った水。
「エアリス…」
ふと口をついた言葉に暖かさと切なさを感じて胸が締め付けられる。
「私…今日でエアリスと同い年になっちゃったよ。何か不思議なんだ。」
「ねぇ、私、エアリスみたいな素敵な22歳になれたかな。
エアリスが…エアリスが親友として誇れる人間になれたかな。安心して見てられる人になれたかな。」
泉の側にしゃがんで水面を眺めた。
「私ね、エアリスみたいに元気をたくさん振り撒く人になりたいんだ。エアリスみたい…なんていったら、"私みたいになるんじゃなくて"って言われそうだね。でも、うん、そうなりたい」
ぱしゃん
風もないのに水が跳ねた。
その時
『だいじょうぶ、だよ』
そう聞こえた…気がした。
輝く水面があの、花のように笑うあなたに見えた。
「ありがとう…」
私は立ち上がって扉へ向かって歩き出した。
『お誕生日おめでとう、ティファ』
今度ははっきりと聞こえた。
「また、来るね!」
私は嬉しくなって走り出す。
最高のプレゼント。
クラウドには内緒にしちゃおう。
HAPPY BIRTH DAY!!TIFA!
end
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