Story
□だからキミを守るよ。
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《第一章 日常》
俺は地元では有名なレベルの高い高校に通っている。
だが勉強は嫌いだ。
“人は何のために物事を学ぶ?”
そんな小学生のような疑問が何度も俺の脳をよぎる。
何も変わらない日常。
平凡な毎日を過ごす。
俺はこんな生活から抜け出したいと思っていた。
買い物の帰り道。
「つまらない…。」
重い袋を両手に、天に向かって呟いた。
家に着くと俺はすぐに買い物袋を玄関に投げ捨てた。
「ふぅ……。」
そしてソファに豪快に座り、溜め息をついた。
(今日はもう疲れた…。)
ここ最近、まともな夕食を食べていない。
菓子パンやコンビニ弁当、ひどい時は何も口にしない時もあった。
一人暮らしを始めてずっとそんな暮らしが続いている。
このマンションを引っ越せば何か変わるかな…?
そんな事くらいで変わらないか…。
何か日常がガラリと変わるような出来事があれば…。
俺の心を動かすような出来事が……。
ドサッ――……
「……?」
玄関の前で音がした。
まるで人が倒れたような音。
俺はおそるおそる玄関に向かい、ドアを開けた。
するとそこには、金髪の青年が倒れていた。