小説

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ご存知、佐藤一純(13)、川越理京(13)。中2になりました♪(一純→2-4、理京→2-5)
そして13階段。実はこの階段、落ちた2人に起きる出来事が、1段1段違うんです。1番上は手がくっつく、そして今回、


「あぶない!」


2段目――

「ぎゃーーーーーー!!!」



一純が理で理京が一純で



ダダダダダ

しーん

(いったぁー;;)

「はっ理京!? 大丈夫!?」
「今度は何!?」

2人は起き上がってお互いを確認。流石バカップル。ちゃんと相手の事想ってるんだなぁ…しかし見たところによると、別に変わったところはない様子。

「何も…」
「起こってない」

よかったね。

「よかったぁー!!」




そして放課後。
約束通り、2人は今日も一緒に帰ります…が。理京の家は春休みの間に引っ越して学校の目の前!!
なので一緒に帰るのは校門までだ。

「じゃバイバーイ♪」
「うん♪」

……何処のバカップルだよ。語尾に「♪」つけやがって…




≪理京宅≫
―――――――――――――
4月12日(月)☆
―――――――――――――
今日ゎまた階段から
―――――――――――――
おちたぁー;;ほんっとどー
―――――――――――――
しよーかと思ったケド
―――――――――――――
なにもなくてよかったv
―――――――――――――
でもこわー;;
―――――――――――――
なんかあるかな…
―――――――――――――
もうおちないよーに
―――――――――――――
気を付けなきゃ!!
―――――――――――――
(理京の日記)


ぱたん…

理京は日記のノートを閉じ、伸びをしながら大きくあくびをした。

「んーっよっし! 寝るかぁー」




≪佐藤宅≫

「ZZZ…」

すでに爆睡;;



≪翌日≫

ピピピピピ…

7時。2人の家では、おそろいで買った目覚し時計が鳴っていた(何故か同じ時間にセットしてた)。
数分後。

スカッ(目覚ましを取ろうとして空をかいた音)

「うわっ!? 目覚ましの位置変わってる!?」

やっと目覚めたら一純は、何時か確認する為に、目覚ましを取った。

「ん〜〜〜何時だ?」

時刻は7時23分。一純、オマエ起きるのおせェよ。

「ヤバイッッ…! 教育テレビで『ひとりで●きるもん!』が始まる!」

オマエ見てんのかよ。

「じゃなくて…遅刻するっ…! 学ラン何処っ…! 学ラ……」

一純がベッドから出て立ち上がったその時目に入ったのは、鏡に映った自分の姿。しかもそれは自分ではなく、自分の彼女・理京の姿で。よく見ると見覚えのないその部屋。確実に、自分が昨夜までいたところではない。

「ギャーーーーーーーーーーーーー!!!」

(はっなっなっなっ…りっ…理京ぉ〜〜〜!?)

当たり前のリアクションです。

バンッ

「姉ちゃんっ…! どうしたんだ!?」

突然見知らぬ(当たり前)男の子が入ってきた。結構カッコいいかも。少なくとも自分よりは遥かに。

(誰…?)

一純、この人は理京の弟、川越大斗(12)だよ。

「なんでもな、ないよ…」

一純は、動揺しながらも平然を装って答えた。

(ってゆーか…)

「なーんだ。イキナリ叫ぶから何かと思ってすげーびっくりしたぜ? ってゆーかはやくおりてこいよー」

そう言って大斗は開けたドアを閉めて出ていった。

「近っ!? 学校近っ!? つーか目の前やん!(誰アンタ)」

学校が目の前。

(…ってことは)

「本気(マジ)で入れ替わってるーーーーーー!!!」




ダダダダダダ…

一純は慣れた手つきで(不自然)制服に着替え、階段をかけおりた。そして朝食の席につき、座って、黙って(下手に喋るとバレるから)待っていた。すると理京の母、川越マミ子が不思議そうに言った。

「どうしたの理京? 食べないの?」
「え、食べていいの!?」

一純は驚いた。一純の家は、家族全員が揃ってから食べるからだ。(全員って…10人くらいいるケド
そういえば、隣の大斗はもう食べている。(早く気付けよ

「頂きますっ」

(家族そろって食べないんだ)

「お父さん、お茶、自分で取ってね」

マミ子が台所のカウンターに湯飲みを置いた。理京の父、川越健吾は、リビングのソファに座っている。

「んーああ」

ピンッ

そう言って健吾は指を鳴らした。
すると湯飲みは真っ直ぐ、健吾の方に飛んでいった…様な気がした。

「あ」

大斗が言った。大斗はそれを目撃したのかもしれない。一純はというと…

「ご馳走さま! いってきますっ!」

それどころじゃないという顔で玄関へ走っていった。まぁ、ホントにそれどころじゃないし。

「理京、大斗、行ってらっしゃい」

一純は、ドアが閉まるとき、そんな声を聞いたような気がした。



≪学校≫

タタタタタタタ…

一純は走っていた。
すると向こうのほうに自分の姿が見えた。

(理京いた!)

一純の友達の工藤柊也(13)と一緒だ。や、一緒というかアレは…

(おどされてる?)

見た感じそうだ。

ビュンッ

「一純、お借りします」
「ギャ」

一純は、高速スピードで理京を連れ去った。(誘拐みたいな言い方…

「何だ?」

柊也は混乱したまま、1人取り残されていた。



しばらく走った後。誰もいないところまできた一純は、理京の手を離した。目の前にいる自分を見て、理京は言った。

「一純?」
「理京…だよな」

お互いを確認してから。

「何なの!? これ!?」
「決まってんだろ!? 階段のせいだ」
「どーやったら戻れんの!?」
「えーっとこの間は…」

(キス…!)

おーい2人とも顔真っ赤だよ? アンタらもう3回キスしたじゃん。今更恥ずかしがんなよ。

「なんかっ改まると…」
「そだなー」

ああ。そういうこと。でもしたら戻れるかもよ?

「いいか!? するぞ」
「はっはい!」

ハイ、キス。

ジーーーーーっ

反応ナシ。

がくーーーーっ

「だめかーー」
「1日経ったら戻るかな?」

理京が、思いつきで言ってみた。

「!」
「?」

それを聞いた一純はひらめいた。
それを見た理京は不思議そうな顔をした。

「1日待つ?」

……決定。



≪放課後≫

「理京ちゃん、部活は?」

クラスメイトで同じ部活の尾崎エリ(13)が帰り支度をしている理京(一純)に聞いた。

「今日はパス…」

(ムリ!! サックスなんてできねぇ)

一純は(ピアノ以外の)楽器が(全然)駄目だった。

「おい佐藤、部活」

同じ部活の鳥居けん(13)(2-2)が帰り支度をしている一純(理京)に聞いた。

「休む…」

理京はラケットすら持って来ていなかった。

「あ…そう」

けんとエリが、2人の背を見ながら同時に言った。




≪佐藤宅≫

「……」

(ど…どうしよう。男子なんて初めて…)

理京、それ当たり前だから。

バンッ

そこに女の子が入ってきた。見覚えのあるその子は、あの時と同じ髪型をしていた。
弟の佐藤仁(11)だ。

「兄ちゃんっ! ゲームしよっ」

(あ、確か弟の…)

「あれー? 兄ちゃんまだ男じゃん」

普通の兄弟の会話じゃねぇよ…。

「電気1回消さなきゃ」

そう言って仁は部屋の電気を消して、またつけた。

「ホラ」

髪が長くなって、女の子になった一純だ。

(わぁーー)

「じゃ、テレビんとこで待ってるからっ♪」

そして仁は部屋から出ていった。

「そっか☆ 夜は女…ラッキー☆」



タンタンタン

着替えた理京はテレビの部屋に行った(何でその部屋知ってんだ?)。

「ん?」

そこには一純の姉、佐藤千瀬(17)(もちろん男の姿)と仁が居た。

「一純…今日、センスいいね? いっつもヘンなのに…」

(あいつセンスないのかよ!!)

理京は返事に困っていた。

「兄ちゃんゲーム!」

仁! ナイスタイミング!

「あ、うん」




カチカチ

『YOU WIN!』

「何だよ兄ちゃん! 今日強っ!」

10-1。

「っしゃぁー!」

理京、実はゲーム得意。
その時。

RRRR…

電話が鳴り出した。

ガチャ

「もしもし」

理京は受話器を取った。(ナニ人ンちの電話に出てんだよ!!

『あ…川越…です、けど』

電話から聞こえてきたのは自分の声。今理京の声を持っているのは…

「一純!?(小声」

周りには仁と千瀬がいる。ここで大声で『一純!?』なんて言っちゃヤバイ。(色んなイミで

『理京?』
「うんうん…」

(一純だぁ〜〜〜)

理京は、嬉しくて涙目になっている。

『今何してんの?』
「んーゲーム…」
『ああ仁と?』
「んーー」
『あいつ強いっしょ? 僕いっつも負けてんだーー』
「えっ!? 弱っ!? 今10勝1敗中だよ!?」
『はっ!? 理京強っ』
「あんたが弱いの!!」

いや、理京が強い。

「私…今日さ…一純が女になる体質でよかったって…思っちゃった…かも」
『同感』

そして2人で、声を出して笑った。

『じゃおやすみ』
「んーおやすみー」

ピッ






≪次の日≫
やっぱり2人は戻っていなかった。

「どーやったら戻んのよ(だよ)ー!!」
「教えてあげよっか?」

突然後ろから声がした。

(は?)

振り返るとそこには、ちょっぴりアラビア風(?)な格好でキモいポーズ(ご想像にお任せします)をした女がいた。

「理京、教室行こ」
「じゃ2組! 美夜のマンガ見たーい」

もちろんスルー。

「オイ! コラ待て! 失礼な奴らだな# このサン・フォルテ様をシカトとは!?」



 
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