桃色空物語

□Story.00
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昔々、ある村の外れに優しい老夫婦がおりました。その老夫婦は長い間、子供に恵まれませんでした。

そんなある日の朝、お婆さんが川へ洗濯へ行くと川上から見たこともない大きな瓜が流れてきました。お婆さんはその瓜を家に持って帰り、お爺さんと食べることにしました。

二人が瓜を食べようと瓜を切ると、中から可愛らしい女の子の赤ん坊が出てきました。子供のいない二人は大喜びで、その子に"瓜子姫"という名前をつけえ大切に育てました。


それから何年も経ち、瓜子姫は大きくなると、とても美しく機織のうまい娘になりました。瓜子姫は機を織りながら、詩を何度も詠いました。

そんな瓜子姫を1人の白い鬼が見ていました。白い鬼は瓜子姫の事を鬼の頭領に話しました。頭領は瓜から生まれた瓜子姫に興味を持ち、白い鬼に瓜子姫を攫うように命じました。

白い鬼は老夫婦のいない間を見計らって、瓜子姫を攫って鬼の里へと連れ去りました。連れ去られた瓜子姫は牢の中でずっと泣き続け、助けを待ちました。


それから数日後、牢の外の方から騒がしい声がしました。すると何人かの鬼達が牢から瓜子姫を連れ出し、外へと出ました。

外には大勢の鬼達が倒れていました。その中央には雉と猿と戌の獣基を連れた青年が立っていました。鬼は瓜子姫に刀を向け人質にとりました。

瓜子姫がもう駄目だと思った瞬間、刀を向けていた鬼達が急に動かなくなって、その場に倒れました。なんと青年が一瞬の隙を着いて鬼達を倒したのです。

それは有名な退鬼師である"桃太郎"でした。瓜子姫は助けてくれた桃太郎に心を奪われました。それは桃太郎も同じでした。桃太郎もまた、助けた瓜子姫に心を奪われたのです。

桃太郎は無事に鬼達を退治しました。しかし鬼達は最後の力で桃太郎に呪いをかけたのです。

それはその身にあらゆる災いを呼び込み、呪いをかけられた桃太郎と同じ18歳までに解かなければ死んでしまう呪いでした。


何代に亘る鬼との戦い・・・けれど呪いは解けず桃太郎は死に、何度も転生し続けました。そして現在は"桃園 祐喜"に呪いが受け継がれたのでした。









ねぇ桃・・・貴方に救われたこの命、決して無駄にはしません・・・私が必ずその呪い解いてみせます・・・







だから・・・だから呪いに殺されないで――――・・・










To be continue...
2010.4.26.Mon

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