気まぐれ

□Steeling oneself
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彼とアドレスを交換したのは2ヶ月前。


彼から受信したメールは全部保護してある。


内容はくだないことだらけだけど。


内容なんて関係ない。彼からってだけで宝です。



あたしの携帯、

「す」って打つと予想変換で「好き」が1番最初に出るんだ。


もちろん送信したい相手は彼。


1度も送信ボタンは押せていないけれど。



あたしに勇気がないから。


返事が怖いから。


気持ちは大きくなっていくのに、なかなか伝えられない。



顔を直接合わせないメールならって思ったけど、

それすらできないあたしはなんて臆病者なんだろう。


直接言うのが1番気持ちが伝わるっていう。

そんなの知ってる。わかってる。


でも無理なものは無理。




どこかに勇気が落ちていないかな?


勇気が沸いてくる薬はないのかな?


そんな非現実的を思いながら、また「好き」の文章をメールの本文に入力していくあたし。


なんでもない会話をしているときは簡単に「送信」って押せるんだけどな。




いつまでもこのままでいいの?


気持ちを伝えないと素敵な未来はないんだよ?



そんな声があたしの中から聞こえる。


よくない。

「好き」って伝えたい。伝えたいよ。

この気持ち彼に知ってほしいよ。


好きでいるだけじゃ満足できない。したくない。


友達のまま終わらせたくない。


片思いのまま終わらせたくない。


Steeling oneself



携帯を片手に深呼吸。そして……



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100313*葉月


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