気まぐれ
□どきどき。
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「寝るときに、枕の下に写真入れると夢に出てくるって本当かな?」
「それくらいで見たい夢見れるなら、私毎晩やるよー。」
って、この前電車に乗ったときに女の子たちが騒いでいた。
誰もが1度は聞いたことあるんじゃないか
ってくらい有名なおまじないの1つだよね。
「健司はこのおまじない信じる?」
「は?」
「だから、枕の下に写真入れるとその夢が見られるってやつ!」
「………。」
あ、呆れた顔してるぞ。健司め。
「お前そんなの信じてんのかよ。」
「信じてるわけじゃないけど、本当だったらいいなって思う。」
見られなかったときのショックが大きそうで、やったことはないけど。
「ちなみに、どんな写真入れるんだよ?」
「もちろん健司の写真だよー。」
入れるとしたら健司の写真に決まってる。
このおまじないが本当だったら、夢の中でも健司と一緒に過ごせるってことだよね?
それってすごい!
バスケしている健司の写真じゃなくて、あたしと2人で笑ってる写真を入れたら最高の夢が見られるんじゃないかな。
「そんなもんに頼るくらいなら会いに行ってやるよ。」
「え…?」
「お前の夢の中に。」
なんと!
健司にそんなこと言われるなんてびっくりだ!
「健司くんがそんな能力持っていたなんて知らなかったです。」
「今まで誰にもやったことないけどな。」
…どこまで本気で言ってるのかな?
わからないけど、その一言はちょっと嬉しかったかも。
「じゃあ健司、今晩からお願いします。」
「おう。任せろ。」
どきどき。楽しみで眠れないかも。
「その代わり、1回行く度お前からキスひとつな。」「交換条件!?」
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100215*葉月
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