気まぐれ

□そんな朝。
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ガラ…

「朝ご飯持ってきたよ。」
「わーい!」


午前8時。

いつものように主治医のツナ先生があたしの朝食を持ってきてくれた。


「(……あれ?)」


ツナ先生が2人分の朝食を持っている。

ここは個室だから当然あたし以外はここで食べる人はいない。


「(いくらあたしでも2人分も食べれないよ?)」


ツナ先生は何食わぬ顔でベッドテーブルに2人分の朝食を置く。



「1人で食べると寂しいでしょ?」
「…え。」
「だから一緒に食べよう。」
「……。」



本当はいつも1人で寂しいって思ってた。


でもそれは仕方ないし、

誰かに言うなんて考えはあたしにはなかった。



「ツナ先生…。」
「さぁ、食べよう。いただきます!」
「…いただきます。」


2人で両手を合わせていただきます。

入院中に誰かとこんな食事をとれるなんて思わなかった。


「ツナ先生、有難う。」
「…?…どういたしまして。」




小さなベッドテーブルに2人分のお盆。


いつもより狭くて窮屈だったけど、


この病院食を今までで1番美味しいと感じたよ。




頼りないし、失敗ばかりだけど、


主治医がツナ先生で良かったと思った朝でした。


そんな朝。
(あたしがお礼を言った理由、ツナ先生分かったのかな?)




baton*【REBORN】病院バトン 〜彼は主治医編〜


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