気まぐれ

□気付いたら
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「ノート」
「とら」
「ラッパ」



街を歩きながら、私と彰はなんとなくしりとりを始めた。



「コンドル」
「るー、…ルーマニア」
「あ?あー、あー…あっ、彰!」



しりとりをするなんて久しぶり。

小さい頃はよくしてたっけ。

大きくなってからでも意外に楽しいじゃん、しりとり。

頭の活性化になりそう。





「うさぎ。」
「ぎー?ぎ、ぎ、ぎ………、」



「ぎ」ってなんだろう?

ギターは最初の頃に彰が言ってたし。


ぎ…、ぎ…、ぎ……、



「うー、「ぎ」思いつかないよー。」
「はは、頑張れ頑張れ。」
「えーーっ。」


へらへら笑う彰がなんかむかつく。


「んー…。…………。」
「…思いついた?」
「…まだ!」
「俺いくつか見つけたけどなー。」
「むーっ。だめだからね、言ったら!」
「はいはい。」


なんで彰の頭にはいくつも思いつくのに、私の頭ではさっぱりなんだろう?悔しい!





「ぎー……、ぎーー…。」
「……。」
「…ぎ、……。」
「…。…あ、彦一がいる。」
「えっ、どこどこ?」
「ほら、あそこ。」
「んー?」


彰が指さす方を探すと、本当だ。

ちょっと離れたところに彦一くんを発見!


「一緒にいるの誰だろ?」
「年上の彼女。」
「え!?彦一くん彼女いたの!?」


ししし知らなかった!アンビリーバブルや!!


でも彦一くん明るいし可愛いからお姉さん受けいいのか、も……?



「嘘。あれ本当は彦一のオネーサン。」
「なんだもー。信じちゃったじゃん!」


言われてみれば似てる。…かも?


荷物全部持たされてるところを見ると、彦一くんお姉さんに頭上がらないんだろうな。



「彦一くんにお姉さんいたなんて知らなかった。」
「記者だって。」
「へぇー!お姉さんも「要チェックや!」って言うのかな?」
「さー、どうだろうね?」




……あれ?

気付いたら違う話



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100619*葉月


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