短編小説

□光の行方
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俺があの時、気を抜かなければ良かった。


そしたら、こんな事にはならなかったのに。


ごめんね、ユーリ。


ごめん。
魔物との戦闘。

それは凛々の明星にとっては日常的なもの。

この日は皆で魔物退治をしていた。

“誰かが困っている”とか、“ギルドとして依頼されてる”とか、そういう理由ではなかった。

ただ、困ったことに凛々の明星には戦闘好きな方々がいる。

今日はそんな二人の要望に、珍しくメンバーが了承した。

そして、今に至る。

戦闘中だというのに、レイブンは今の状況を頭の中で思い浮かべていた。

意識はちゃんと目の前の魔物たちを捕らえている。

ただ、頭の中で冷静に今、魔物と戦闘になった発端を思い返しただけ。

リタとエステルとレイヴン。

後衛の三人を残して、残りのメンバーは前に出ている。

その中で、この状況を作り出したといっても過言ではない二人。

ユーリとジュディスはとても嬉しそうに魔物と対峙していた。

ラピードは少し危なっかしいカロルと一緒に大きめな魔物の相手をしていた。

リタとエステルは後ろから魔術を使って援護。

そしてレイヴンは彼らに背を向け、反対方向をから来る魔物の相手をしていた。

「まったく、次から次へと…。」

流石に一人で相手をしているのは、少しだけきつい。




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