短編小説
□穏やかな朝
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微睡む意識の中。
光が顔に当たるのを感じて、レイヴンはうっすらと目を覚ました。
ふっと横を見れば、ユーリがまだ寝ている。
自分を抱きしめている、暖かな腕に少し顔を緩ませる。
昨日の夜は寒くて、なかなか寝付けなかった。
寝こじっていた所をユーリに見つかり、理由を聞かれた。
寒くて寝れないと正直に言い、軽くふざけながら、“添い寝して〜”なんて言った。
それに対してユーリは苦笑し、“あっためてやるよ”なんて言いながら、レイヴンのベットに入ってきた。
レイヴンとしては冗談だったのだが、ユーリはふわりと笑いながらレイヴンを抱き寄せて。
おやすみと言いながら、添い寝してくれたのだ。
言葉通りの暖かさと、寄せた胸から聞こえる心地いい心音。
ユーリから与えられた温もりのおかげで、ゆっくりと眠る事ができた。
*