短編小説
□背中合わせの心
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ここにいたいと思ったの。
だって、居ていいって言ったから。
君がここで生きて良いって言ってくれたんでしょ？
だから、ここにいるのよ？
だって、寄りかかったって良いって。
頼って良いって。
示してくれた。
ずっと、助けて欲しくて。
終わらせたくて、諦めたくなくて。
でも、それは赦されないことで。
意志のない死んでいたブリキの心。
命令の為だけに動く人形の身体。
できるなら、終わりたかった。
でも、心を蘇らせてくれて。
赦してくれた。
人形を人間に戻してくれた。
それだけでも、良かったのに。
愛してくれた。
男で、１４も年上なのよ？
それでも良いの？
おまけに裏切り者で、嘘付きで、胡散臭くて、性悪よ。
悪いとこしか無いのに。
“それでも生きろ”なんて。
“傍にいろ”なんて
そう。
そんなに言うなら、いてあげようじゃない。
不覚にも、愛しちゃったし。
こんなにあったかい場所、俺にはもったいないけどさ。
ね、青年？
ううん、ユーリ……
大好き
＊