カードキャプターさくら
□デザインコスチューム
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さくらはかれこれ30分はずっと同じ格好で机上にある人型が描かれた紙とにらめっこをしていた。
知世から「新しいコスチュームはぜひさくらちゃんの着てみたいデザインのお洋服を作ってみたいですわ!」
の一言で、さくらは自身のコスチュームデザインを考えているのである。
「あーん、中々いいアイデアが浮かばないよう……」
足をばたばたさせながら、長い溜め息を吐く。そんな姿を後ろから眺めていたケロベロスはニヤニヤと笑っている。
「なあなあ、さくら。ワイがそのコスチュームデザイン?とかゆうやつ考えようか??」
「えー、いいよー。なんかケロちゃん変なの描きそうだもん」
「変なのとはなんや!?ワイの斬新なデザイン見たら驚くと思うでー」
「………あー、もうこんな時間!晩ご飯の準備しなきゃ!!」さくらはケロベロスの話を無視してベットに置いていたエプロンを身に付けた。
「ケロちゃん!絶対、ぜったい!!勝手に描いちゃだめだからね!」
「わかっとるって。はよー、ご飯の支度しにいきー」
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『ごめんね、知世ちゃん。コスチュームのデザイン結局出来なかったよ』
『いえいえ、いいんですよ。こちらこそ無理を言ってしまってご迷惑がお掛けしましたわ』
『ううん、全然!…知世ちゃんってやっぱりすごいなあ。いつもあんなにかわいいお洋服作れるんだもん』
『そんなことありませんわ。すみませんが、明日学校で今日渡したデザイン用紙をもらってもよろしいですか?』
『うん、わかった!明日持って行くね』
電話を切った後、机上に二つ折りにしていた紙を手に取ると、そのまま鞄の中に入れた。
次の日、
家に帰った知世は、朝さくらから受け取った紙を見て首を傾げた。しかしすぐにくすりと笑って、
「きっとケロちゃんの仕業ですわ」
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