生徒会役員共

駄文
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入学式が終わって、新しい制服に身を包みこんだ女子生徒を横目に、息苦しさに負け、首もとのボタンを2つほど外した。
校門の前には部活の勧誘狙いの生徒がビラ配りや声掛けを行っている。その横を通った時、
「…テニス部入りま…。………あ、ごめんなさい…」
何を勘違いしたのか突然謝られた。これで何回目だろうか…。
小さな溜め息を吐きながら教室に向かう。これが予鈴の鳴る数十分前。実際なら余裕で間違いなく間に合っていた、はずなのだが。

迷子になって予鈴がなって数十分ほど経った後、やっと教室に入った頃にはもう既に新しいクラスでは自己紹介が始まっていた。
「……えっと、」新しい担任の女教師は困ったように笑った。「時です」
「あ、時さん…時さんね。えっと、津田さんの後ろの席に座ってね」
「…はい」
津田って誰だよ。…ひとまず、唯一ぽつんと空いている席に座る。目の前の女子の髪が嫌に目に入る。高校生にもなってツインテールって…。

「……です。この学校を選んだ理由は…」

黒板に白チョークで書かれた文字。
名前、この学校を選んだ理由、趣味、学校でやりたいこと、何か一言。

選んだ理由、か。
志望校を間違えた…、って言ったらなんて反応されるんだろうか



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