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□永遠に愛してる、と誓いましたから
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「おかえりなさい、静雄さん」

僕はついこの間静雄さんと結婚した。
僕が静雄さんと結婚すると報告した時、周りの人の反応は皆それぞれだった。
正臣には初めはやめた方が良いと言われたけど、最終的には幸せになれよ!って言って祝ってくれて、園原さんはおめでとうございますと言ってくれて、新羅さんやセルティさんには驚かれ、それでもおめでとうと言ってくれた。
その他にも門田さんや狩沢さん、遊馬崎さん、渡草さん、サイモンさんなどお世話になった人たちもおめでとう、とかお幸せに、とか言ってくれた。
知ってるとは思ったけど、臨也さんにも報告したら、俺は諦めないからねと言われ、頭を撫でられた。
この時、静雄さんがいなくて本当に良かったと思う。
あ、でもそのあと臨也さんから“おめでと”と簡素なメールが送られてきて、素直じゃないなぁ、と僕は思わず苦笑してしまった。
その現場を静雄さんに見られ、メールを見せると微妙な顔をされた、というか顔をしかめられた。
あんな静雄さんの顔は初めて見たなぁ。

「どうしたんだ、帝人?」

いきなりくすくす笑い出した僕を訝しんだ静雄さんが聞いてくる。

「少し、昔を思い出しまして」
「昔?」

僕らが皆に結婚するって報告した時のことですよというと、静雄さんはあぁ、と得心のいった顔をした。

「でも、可笑しいことなんてあったか?」
「可笑しい、というより…そうですね、懐かしくて」
「懐かしいって…そんな昔でもないだろ?」
「確かにそうですね」
「……なぁ、帝人」
「何ですか?」

突然真剣な顔つきになった静雄さんに、僕は(最近穿きだした為)あまり慣れないスカートの裾を整え、いすまいを正す。

「後悔、してないか?俺と結婚して」

正直、驚いた。
静雄さんがそんな事を考えていたなんて。
はぁ、と短く溜め息を吐くと、静雄さんの瞳が揺れたのがわかった。

「何バカなこと言ってるんですか。するわけないでしょう、そんな事」

僕がはっきりと言いきると、静雄さんは肩の(おそらく無意識に入っていたのだろう)力を抜いた。

「静雄さんと結婚すると決めたのは僕です。それに、誓いましたから。永遠に静雄さんを愛すると」
「そうだな」

ふ、と表情を緩めた静雄さんは僕の左手を取って薬指のリングへ口づけた。

「俺はもう一度誓おう、帝人。俺は、お前を永遠に愛すると」
「はい、静雄さん。僕も永遠に静雄さんを愛すると誓いましょう」

僕たちは指を絡ませ手を繋ぐと、どちらからともなくキスをした。


永遠に愛してる、と誓いましたから


(さて、ご飯にしましょうか)
(あぁ。手伝う)
(ありがとうございま――)
(やっほー帝人君!会いに来たよ!)
(いぃーざぁーやぁーー!!)
(…はぁ)


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