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□睡眠不足でうつらうつら
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さわさわと吹く風が初夏の匂いを運び、その風に乗ってチャイムの音が聞こえてくる。
「ん……」
屋上で眠っていた門田はその音で目を覚まし、伸びをする。
「いま、何時だ…?」
門田は制服のポケットから携帯を取り出し時間を確認しようとした時、屋上の扉が開かれた。
「あ、門田先輩、やっぱりここにいたんですね」
「帝人」
携帯から目を離し扉の方を見ると、帝人が袋をぶら下げて立っていた。
帝人は袋を揺らしながら門田に近づく。
「またサボってたんですか?」
「あー…まぁ、ちょっと寝不足でな」
「バイトですか?」
「いや、狩沢たちに付き合わされてた…」
門田が短く溜め息を吐き、肩を落とすと帝人は苦笑しながら門田の隣に座る。
「あはは…ご苦労様です。あ、お昼持ってきたんで、一緒に食べましょう?」
「もうそんな時間か…サンキュな」
帝人は袋の中から弁当を取り出し、門田に渡す。
「お口に合うと良いんですが…」
「お前の飯は何でも美味いぞ?」
「あ、ありがとうございます///」
門田は弁当の蓋を開けると、早速食べ始める。帝人もそれに倣い弁当を食べ始めた。
………………………………
「美味かった。ごっそさん」
「お粗末さまでした」
帝人は弁当箱を片づけると、フェンスに凭れかかる。
「良い天気ですね」
「そうだな。……帝人、眠いのか?」
「え?」
「瞼、閉じかかってるぞ」
門田は帝人の頬に手を添えて瞼を軽く撫でる。
「あ…昨日夜遅くまでチャットしてて…///」
「あー、通りでさっきからうつらうつらしてたわけだ」
「え、本当ですか?」
「気づいてなかったのか?」
「あまり…///」
「……よし、サボるか」
「へ?」
「次の授業、一緒にサボるか」
「だっダメですよ!」
帝人はわたわたを腕を上下に振ると、門田は帝人の頭を撫でる。
「偶には良いだろ、な?」
「え、でも………わかりました」
帝人はしぶしぶ、といった感じで了承するが、帝人の瞼はすでに閉じかかっていた。
帝人は門田の隣にきちんと座り、門田の方に凭れかかった。
「おやすみ、帝人」
門田はもう一度帝人の頭を撫でると、門田自身も再び眠りについた。
睡眠不足でうつらうつら
(ゆまっち、ゆまっち。見て、あれ!)
(ん?あ、門田さんと帝人君じゃないすか)
(みかプーかわいー!ドタチンも油断しちゃってー。写メ撮っちゃおー)
(ダメっすよ、狩沢さん!起きちゃうっすよ)
(大丈夫よ、これくらい!はい、パシャリ…ふふ、お宝ゲットー)
(嬉しそうっすね、狩沢さん)
(ん?まぁねー。二人には幸せになってもらいたいからね)
((本当は起きてんだが……今回は見逃してやるか))
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(さーて、いざいざにも見してあーげよ)
(待て狩沢!それだけはやめろ!)
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