Present
□幸せな朝
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※ナチュラルに同棲してます
「よし、これでいいかな」
帝人はテーブルの上の朝食を確認し、パタパタと軽快にスリッパの音を響かせながらリビングの隣にある寝室へ入る。
帝人はベッドへ近づき屈み込んで声をかける。
「京平さん、朝ですよ。起きてください」
ゆさゆさと帝人は京平の身体を揺らすが、起きる気配はなかった。実を言うと、京平は寝起きが悪い。いつも面倒見のいい兄貴的存在の門田京平からは想像もつかなかった。事実、よく一緒にいる狩沢達三人でさえ知らなかった。
(こんな京平さんを知ってるのは僕だけの特権、だよね)
そんな事を思いながら、帝人は京平を起こし続ける。
「京平さん、起きてくださ…わっ」
「んー……」
帝人はぐいっと京平に腕を引かれ、京平と顔がぐっと近くなり、視界全てが京平で埋め尽くされる。
(ちちち近っ、近い///!)
あまりの近さに帝人は真っ赤になった。
「う、あ、きょ、京平さ、ん///」
あわあわと掴まれていない方の腕を上下に振りながら慌てる。すると更にぐいっと腕を引かれ、帝人の唇と京平の唇が触れた。
「――っ!きょ、うへいさ、いっいつから起きて///!?」
「あー、帝人がこの部屋入ってきたあたりから」
「えぇ!?い、いつもなら起こしてもなかなか起きないじゃないですか!」
「や、今日は偶々、な。でもおかげでいーもん見れた」
「ぅ…///」
にこり、と笑った京平と言われた言葉に帝人は再び顔を赤らめた。
京平は身体を起こし、そんな帝人をぎゅっと抱きしめる。
「おはよう、帝人」
「おはようございます、京平さん///」
帝人は京平の背に腕を回し、抱きしめ返す。
時間にして数十秒、二人はそうして抱き合っていたが、帝人はあ、と思い出したかのような声をあげる。
「朝ごはん食べないと。早くしないと冷めちゃいますよ」
「ん、あぁ、そうだな」
京平は名残惜しそうに帝人を離し、立ち上がる。
リビングに移動し、二人揃って卓につき、朝食をとる。
「今日はお仕事、遅くなりそうですか?」
「いや、あとは仕上げだけだから、すぐに終わるな。…一緒に買い物にでも行くか?」
「え、いいんですか!?」
「あぁ。じゃ、学校終わる頃に迎えに行くから」
「はい!」
幸せな朝
(帝人、そろそろ時間じゃないか)
(あ!本当だ。じゃあ、片付けよろしくお願いしますね)
(あぁ。帝人)
(はい?)
ちゅっ
(気ぃつけてな)
(い、いってきます、京平さん///)
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