NARUTO
□対人態度
1ページ/1ページ
待機所には上忍や特上、中忍と様々なランクの忍が屯している。
そんな待機所の一角に、シカマルとゲンマはいた。
「ゲンマー、茶ぁー」
「アホか」
ぺし、とゲンマが机にだらけているシカマルの頭を叩く。
シカマルはイテと小さく声を漏らし、ゲンマを見上げた。
「んだよ、アスマなら入れてくれたぞ」
「お前…アスマさんに何させてんだ……上忍だぞあの人」
「いーんだよ、アスマはアスマだから」
「何だそれ…」
きっぱりと言い切ったシカマルにゲンマは訳がわからないといった様な目でシカマルを見る。
しかし、シカマルはその視線をさらりと受け流し、もう一度、茶ぁーというとまたぺし、とゲンマに頭を叩かれた。
「痛い…」
シカマルが眉間に皺をよせ不機嫌な顔になると、ゲンマは一度シカマルの傍から離れる。
そんなゲンマをシカマルは目で追うも、待機所にはそれなりの数の忍がいるため直ぐに見失ってしまった。
しばらくして戻ってきたゲンマの手には二つの湯呑があり、片方をシカマルの目の前に置く。
「ほれ」
「…ありがと」
不機嫌な顔ながらもきちんとお礼を言うところは奈良夫妻の教育の賜物かもしれないな、とゲンマは思い苦笑する。
「何?」
「いや、別に。つーかお前くらいだぞ、上司に茶入れさせる奴なんて」
「んー俺だって礼節は弁えてるぜ?」
ずず、とお茶を啜りながらそう言うシカマルに、そう言えばライドウさんに敬語で話しているのを聞いたな、とゲンマは思う。
「じゃあ何か、俺は礼節を弁えるほどの奴ではないと?」
「だって、ゲンマはゲンマだろ?」
「だから何だよそれ…」
さっきと同じようにきっぱりと言い切ったシカマルに、ゲンマはまた訳がわからないといった様な目でシカマルを見、お茶を啜る。
「俺にもよくわかんねぇ」
「何だそれ」
シカマルはことりと湯呑を置いて考える素振りを見せた。しかし、めんどくさくなったのかすぐに考える事を放棄したシカマルの返答にゲンマは苦笑する。
「嫌か?」
「何がだ?」
「あー…ほら、呼び捨てとか」
「今更だろ?」
「そう、だけど…」
少し言葉を詰まらせるシカマルの頭をぽんぽんとゲンマは軽く叩く。
「それに」
ゲンマは机に手をつき前のめりになると、シカマルの耳元に口を寄せる。
「俺達は恋人同士だし、な」
「…っ///」
ぽそりと耳元でゲンマに囁かれたシカマルは顔を赤く染める。
ゲンマはそのシカマルの様子に肩を揺らす。
それを見たシカマルはむっとした顔になり、ショタコン、とぼそりと呟いた。
「お前なぁ…」
呟かれた言葉にゲンマは笑うのを止め溜め息を吐く。
「嫌いになった?」
にやり、と意地悪く笑いシカマルはゲンマを見上げた。
それを見たゲンマはふっと目元を緩め、まさか、と言うとシカマルの額にひとつキスをした。
対人態度
(おい、あれ誰か止めろよ)
(無理だろ。あんな雰囲気の中に割りこめるかよ)
(大体、あの二人の邪魔なんかしたらセンボンが飛んでくるぞ、しかも物凄い勢いで)
(経験済みってわけか)
(あれはマジで死ぬかと思った…っ)
(…触らぬ神に祟りなし、か)
.