NARUTO

□やっぱり年上なんです
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「お化け屋敷?」
「そう!」

首を傾げるシカマルにいのが若干興奮気味に肯定する。

「演習場の近くに新しくできたのよ!これは行くしかないでしょ!しかも期間限定よ、期間げ・ん・て・い!」

ぐっと握り拳を作って力説するいの。
彼女の言うお化け屋敷とは、この夏限定で開かれた、期間限定とは思えない本格的なものだった。

「というわけで、行くわよシカマルー!」
「は?ちょ…っ!」

己の腕をぐいぐい引っ張りながら歩くいのに、シカマルは足を縺れかけそうになりながらもついて行く。その顔は最早諦めモードであった。

………………………………

「みんなー、シカマル連れてきたわよー!」

シカマルがいのの進行方向を見ると、そこには確かにお化け屋敷があり、その前には下忍メンバーが勢揃いしていた。
つーかお前ら暇なんだな、とシカマルが思っていたことは、シカマル自身口に出さなかった為誰も知る由はない。

「これで全員揃ったわね。入るのは二人一組らしいから、サスケくん一緒に入りましょ!」
「ちょっと何抜け駆けしてんのよ!サスケくんはあたしと入るのよ!」
「あたしよ!」

サスケの前でサスケの取り合いをしだした二人。サスケはそんな二人を無視し、シカマルに近づく。

「シカマル、俺と組もう」

ちゃっかりシカマルの手を握るサスケ。

「あー!何抜け駆けしてんだってばよ、サスケェ!シカマルと組むのは俺だってばよ!」
「ちげぇよ!俺だ!な、赤丸」
「わん!」
「それも違う。シカマルと組むのは俺だ。何故なら俺はシカマルの事が好きだからだ」
「何どさくさに紛れて告白してんだよシノ!」

ぎゃーぎゃーと騒がしい四人にシカマルはうるせぇ…と片耳を塞ぐ。
その隣でチョウジは相変わらずマイペースにお菓子を食べており、ヒナタはおろおろとしていた。

「熱い!熱いですね皆さん!」

リーが握り拳を作る横で、ネジとテンテンは溜め息をついていた。

「とりあえずくじ引きで決めたらどうだ」
「そうね。それが一番いいんじゃないかしら。あ、でも今紙がないからあみだくじにしましょ」

これでは収拾がつかないと思ったのか、ネジが提案し、テンテンが肯定する。

「えーそれじゃあシカマルと組める確率が減るってばよ」

文句を漏らすナルトだったが、それじゃあ埒があかないと言われ引き下がった。

「それじゃあ皆それぞれ選んで。同じ番号の人がペアよ」

テンテンが新しい巻物に線を書いてあみだくじの用意をする。
皆が名前を書き終えたのを見て、テンテンは新たに横線を書きあみだくじを完成させ、線を辿っていく。

「結果を発表するわよ」

@サスケ・サクラ
Aいの・キバ
Bナルト・リー
Cチョウジ・シノ
Dヒナタ・テンテン
Eネジ・シカマル

この結果を見た下忍メンバーは皆それぞれの反応を見せた。

「ま、これも運命よ。さ、一番のペアから入った入った」

お姉さんぶりを発揮したテンテンに言われ、一番のペアから順に五分おきにお化け屋敷へと入って行った。

「それじゃあ、ネジ、シカマルくん、五分経ったら入ってきてね」
「あぁ、わかった」

ひらひらと手を振ってテンテンはヒナタと共にお化け屋敷へと入って行き、そこに残されたのはネジとシカマルだけになった。

「…なぁ、ネジ」
「何だ」
「とんずらしねぇ?」
「何故だ」
「……めんどくせぇ」
「しかし行かなければ余計めんどくさい事にならないか?」
「……しゃーねぇな…クソめんどくせぇ」

シカマルは盛大な溜め息を吐く。

「時間だ。行くぞ」
「あぁ」

テンテンとヒナタが入って五分が経ち、ネジとシカマルはお化け屋敷に入って行った。

「なかなか本格的だな」
「あ、あぁ…」
「どうした?」
「い、いや、何でもねぇぜ」
「ならいいが」

そう言いネジは先に進んで行き、シカマルはその後をついて行った。

………………………………

「…怖いのか?」

お化け屋敷も中盤辺りになった頃、ネジはシカマルを振り向き聞く。
実は先程からネジはシカマルがお化け屋敷の仕掛けが発動する度にビクリと肩を揺らしている事に気付いていた。

「いや、別に…」
「ふむ…素直になったらどうだ?先程からビクついているぞ」
「……何だバレてたのか…そうだよ」

隠す事がめんどくさくなったのか、シカマルは眉間に皺を寄せつつ肯定する。

「怖いっつーかあんま好きじゃねーんだよ」
「何故隠していた?」
「…情けないだろうが、お化け屋敷が怖いなんて」
「そうか」
「あぁ…ってうわぁー!」

いきなり大声をあげてシカマルはネジに抱きついた。

「滑って、滑ってした…っ」
「あぁ…コンニャクか」

ネジはシカマルの近くにコンニャクがぶら下がっているのを見て、納得した。

「シカマル、コンニャクだ」
「コンニャ……あ…わ、悪いっ///」

シカマルは顔を赤くし慌ててネジから離れる。

「無理をするな、ほら」

ネジは一度離れたシカマルへと手を差し出す。その行為にシカマルは首を傾げる。

「掴まっていろ。少しはマシになるだろう」
「へ」
「ほら早くしろ」
「あ、あぁ…」

ネジに急かされシカマルは慌ててその手を掴む。シカマルが掴んだのを確認してネジは行くぞと先へと進んで行く。
そんな二人にお化け屋敷の仕掛けは容赦なく襲ってき、その度にシカマルはネジの方へと近づき、今ではシカマルはネジの腕に掴まっていた。

「お前は目を瞑っていろ」
「いや、でもよ」
「いいから。出口が近くになったら言っているから」
「でも…」
「怖いのだろ?」
「ぅ…わかった、頼む」
「あぁ」

シカマルがゆっくり目を閉じると、ネジは一度シカマルの頭を撫でる。

「ネジ?」
「いや、行こう」

ネジは何事もなかったかのようにシカマルを連れてお化け屋敷の中を進んで行った。


やっぱり年上なんです


(ちょっとー遅いじゃないシカマルー)
(あー?そうかぁ?)
(そうよー、まったく)
(悪かったよ……あ、そうだ、ネジ)
(何だ)
(あー、その…ありがとな)
(!…いや、気にするな)


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