綴
◆古傷
触れては
いけなかった
それは私を傷付け
やがて広がるだろう
忘れていれば良かったのに
忘れていられたら良かったのに
思い出して
苦しむんだ
_
2010/05/07(Fri) 01:38
◆不思議
最近、妙に生々しい夢を見る
触れられたり
触れたり
物や人にね…
そうして、感情を乱されて起きるんだ
睡魔は残酷
薬に忠実
夢に、大切な人は出てこない
2010/03/08(Mon) 16:15
◆溺
ほの暗く
うつつに浮かぶ光
照らされて
君は天使のよう
この時間
君とのこの時間
もっともっと続くといい
つらい別れなど
ないと言ってくれ
_
2009/09/27(Sun) 03:57
◆あした
夕焼け空
見ていた君
横顔に
思い出
チラリと映る
大好きな
大好きな
広い広い草原に
お帰りなさい
_
2009/09/16(Wed) 18:39
◆Thanks a lot......
遠い記憶が
今、とても鮮明だ
近くても希薄なモノがあるように
遠くても、とてつもなく大切なモノがある
膝を抱えて
うずくまっていた、あの時
たくさんの、あの時……
SOSを発していた俺を、救ってくれた遠き人
寂しさの奥底の闇に、取り込まれなかった奇跡の積み重ねを
寂しさの種類の多さを
多分、知っている
優しさの厚みを
優しさ故の残酷を
多分、知っている
闇を知ってしまった俺に
別の
まるで違う
愛すべき闇をくれた人……
あなたに、幸多きことを祈ります
_
2009/08/07(Fri) 07:56
◆透明なdilemma
僕が君を傷つけてしまうから
此処から、そっと見つめていよう
君が心を解いてくれるのを
ずっとずっと待っていよう
気付けば僕は、やせ細り
牙を剥いた敵に
押さえ込まれていた
このトゲトゲを
思いきり刺して
情けなくも君の前で倒れる
そっと鼻先が触れた、最期の記憶
_
2009/07/07(Tue) 16:26
◆這い上がる
息継ぎの合間に、飲み込んだ涙の味を知る
いやが上にも叩き落とされ、睨みつける虚空よ
雨よ、洗い流してくれ
流してくれ、俺の穢れを
いつか、羽ばたく
この羽根を、ギシギシと軋ませ
微かな意識で繋ぎ留める、彼の地……
不思議なことに、不安はない
目に映る景色が全て、灰色でも、耳に入る音が全て意味をなさなくても……
解るよ
傷は、癒えてきている
さあ、ゆっくり
往くべき場所へ…
,
2009/06/19(Fri) 00:25
◆ATPcycle
静かな闇が広がる
これは救済
やがて手探りの歩みが始まり
仄かな灯火は
時空を超える
闇夜に咲く花もある
闇夜に蠢く生命が在る
ノイズが少ない時間の硲
光る瞳は
生きるための爪を磨きながら
足音を消して
走り出す
風が、道を空ける
,
2009/05/22(Fri) 04:35
◆existence
あまりに危うい其れを
つまりは僕自身を
もう繋ぎ留めるのを辞めようか……
楽しかったよ
幸せだったよ
だけどもう、ふっつりと
消えていくのが望みです
ありがとう
ごめんなさい
このまま、もう二度と、陽の光を見たくない
孤独の海に沈むのが望みです
おやすみなさい
,
2009/05/19(Tue) 02:26
◆透明な炎
喉を焼く
炎は躰の内側から発する
音もなく
色もなく
熱いのか冷たいのかさえ
分からない
痛みが、僅かに僕を現実に繋ぎ留める
炎は、人も傷付けてしまう
僕の喉から外に出て
傷付けてしまう
僕だけを燃やしてよ
余計な感情も、役に立たない四肢も
焼き尽くして
消して
_
2009/05/15(Fri) 21:07
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