恋修
□ERASER
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「ここ、痛い?」
無骨なものとは思えないほど優しく頬を撫でる姿は、まるで壊れ物を扱うかの様に繊細で。
「痛くねぇ」
「あの時は、痛かった?」
「そりゃ、まぁ」
「じゃあ、これ嫌い?」
「…別に?」
「ふーん」
「何が言いてぇんだよ」
恋次の指が三本の傷を順に撫でる。
擽ったいよーな、落ち着くよーな、
そんな感覚。
「俺も嫌いじゃない」
「何だそれ」
「だって、俺達を守るために出来たもんだし」
「それだと、普通は後悔する類の話じゃねぇの?」
「修兵には悪いけど、」
「けど?」
「この傷には修兵の愛を感じるから」
「…ほー」
「ほーって…」
「いや、同じだと思って」
「何が?」
「この傷にはオマエの愛を感じるから」
「…ほー」
「…パクんな馬鹿野郎」
「馬鹿っていった人が馬鹿なんですー」
決して消えることのない傷。
決して消えることのない愛。