短篇
□水の中、僕は彼の夢を見る
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「新八」
「何ですか。これ」
応えた僕の手に、渡されたのは、薬壜。
高杉さんは、僕の問いかけには応えてくれず無言で促す。
僕は、微笑んで
「高杉さんが、くれる物なら例え毒でも飲みますよ」
「そうか」
「はい」
そう言って、僕は壜の中身を一気に飲みほした。
躰中に、伝播するように痛みが駆け抜けていく。
その痛みの後、新八の躰には急激な変化が、訪れていた。
まろみを帯び、やわらかな、少女の姿に高杉の腕の中で変貌を遂げていたのだ。
「全てを俺に捧げろ」
囁く男の腕に抱かれ、新八は、闇の中へと快楽に堕ちていった。
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