短篇
□溺れる魚
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銀時は新八にふれるたびにいつも緊張している。
こんなにも綺麗な新八に汚れた自分がふれることを許されるのか、と。
指先が小さく震えたのを見た新八は、銀時の躰を抱きしめ、そっと言うのだ。
「銀さん、もっと中まで僕にさわってください」
その言葉に導かれるように、
銀時の指がそろりそろりと新八の躰を撫でさする。
最初は、ゆっくりと、そして、少しずつ際どい場所に辿り着き、その場所に愛撫を施していく。
新八の脣から甘い甘い声が漏れ聞こえる。
自分は、どこまでも新八の存在に溺れているんだろうか。
想いながらも止める術なく、このままどこまでも底のない果てで、溺れる。
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