短篇
□膝枕
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僕の膝枕で銀さんが寝ている。
そんななんでもないことが、嬉しいのだ。
銀さんは、いつも自分のことより他人のことばかりで。
このひとが、本当の意味で休めることは出来るのか、と。
僕は、銀さんの髪を撫ぜる。
まるで小さいこどもにするみたいに。
銀さんが、僕に心をゆるしてくれてるみたいだ。
緩やかな時間をふたりで共有する。
こんな時間が、きっと幸せというのだろう。
銀さん、生まれてきてくれてありがとう。
僕に出逢って、愛してくれて。
たくさんのありがとう、と。
ふたりが、出逢えた運命に祝福を。
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