短篇
□香りゆく蜜
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銀時にとって、最初はただの子どもだったはずの新八に、今では、身も心も囚われてしまっている。そんな、自分が不思議で仕方ない。
だが、新八が近くにいるだけで我慢がきかず、いつもこうなってしまう。
そして、今も。
銀時の躰の下で、甘い匂いを放ち新八はぐったりと意識を失っていた。
気がつくと、新八を組み敷き、躰を交りあわせている。
どれだけ交りあっても足りることなく、いつも銀時は、新八に餓えていた。
そう、新八の躰からは、甘い蜜の匂いが香っているのだ。
香りは、銀時をも蝕んでいき、麻薬のようですらあった。
絡めとられ、もう逃げる術は残っていない。
そうして、今日もまた、ふたり、どこまでも堕ちていく。
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