短篇
□痕
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銀時と新八は、夜の桜並木の中をゆっくりとした足どりで歩いていた。
ふと、新八は、立ち止まり、桜を見上げた。
その横顔は、清廉でありながら、銀時を惑わす匂いを放っている。
「銀さん、桜、綺麗ですね」
そう言った、新八の襟足には、銀時が付けた所有の証が、紅く咲いていた。
そして、銀時の背中には、新八が無意識に付けた爪痕が紅く線を描いている。
「ああ、綺麗だな」
銀時は、新八を腕の中に囲いこんで、そう、呟いていた。
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